日ごとに春の暖かさが感じられる3月。しかし、花粉症の方にとっては1年で最も憂鬱なシーズンの本格的な幕開けでもあります。日本気象協会などが2月に発表した最新の飛散予測によると、2026年春の花粉は、昨年夏の過酷な気象条件の影響を大きく受ける結果となりました。
【東日本・北日本は「非常に多い」大量飛散の予測】 今年の花粉の最大の特徴は、「東日本から北日本にかけて、例年を大きく上回る大量飛散になる」という点です。関東甲信や東北地方では、前年比で大幅に増加し、過去10年の平均と比べても「非常に多い」飛散量となる予測が出ています。 その最大の原因は「昨年の夏の異常気象」です。花粉の元となるスギの雄花は、前年の夏に気温が高く、日照時間が長く、雨が少ないほど活発に成長します。記憶に新しい昨夏の全国的な「記録的猛暑」が、皮肉なことにスギの生育にとって完璧な条件を満たしてしまったのです。
【3月上旬〜中旬が最大のピーク。寒暖差に要注意】 すでに2月中旬から各地で飛散が始まっていますが、スギ花粉の最大のピークは「3月上旬から中旬」にかけて訪れます。その後、3月下旬からはヒノキ花粉へとバトンタッチし、ゴールデンウィーク頃まで気が抜けない日々が続きます。 特に3月は「三寒四温」で数日ごとに寒暖差を繰り返します。花粉対策において最も警戒すべきなのは、「雨の翌日に、急激に気温が上がって風が強い日」です。雨で地面に落ちた花粉が乾いて一気に舞い上がり、通常の数倍もの暴力的な量の花粉が飛散します。
【花粉は「全身の不調」の引き金に】 花粉症は、くしゃみや鼻水、目のかゆみだけにとどまりません。花粉が肌に付着することで起こる「花粉皮膚炎(肌荒れ)」や、鼻詰まりによる睡眠不足からくる強烈な全身の倦怠感、自律神経の乱れによる胃腸の不調(胃痛や便秘・下痢)、さらには頻尿など、全身にさまざまな悪影響を及ぼします。
【重症化を防ぐための「先手必勝」対策】 「毎年市販薬でごまかしている」「症状がひどくなってから病院に行く」という方も多いですが、今年のように飛散量が多い年は早めの対処が鉄則です。当院では、眠気が出にくいアレルギー専用の飲み薬や、ピンポイントで効く点鼻薬・点眼薬、肌荒れに対する適切な外用薬など、一人ひとりの症状やライフスタイルに合わせたお薬を処方しています。 本格的なピークを迎えている今からでも決して遅くありません。我慢せずに適切な治療を取り入れ、つらい春のシーズンを総合的な医療ケアで一緒に乗り越えましょう。