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夏こそ要注意!「脳梗塞・心筋梗塞」を防ぐ水分補給と、いざという時の「FAST」

「脳梗塞や心筋梗塞といった血管の病気は、寒い冬に多い」というイメージをお持ちではありませんか? 実は、気温が急上昇する夏場(6〜8月)にも、これらの病気で救急搬送される方が少なくありません。

その大きな原因は、夏の厳しい暑さによる「脱水」と、それに伴う「血液のドロドロ化」です。 今回は、なぜ夏に血管の病気が増えるのか、私たちが今日からできる予防法、そして万が一の時に命を救う大切なサイン「FAST」について分かりやすくお話しします。

なぜ夏にリスクが高まるの?

脳梗塞は脳の血管が、心筋梗塞は心臓の血管が血栓(血の塊)によって詰まってしまう病気です。 夏にこの血栓ができやすくなる理由は、次のようなメカニズムです。

  1. 汗による水分不足:暑さで大量の汗をかくと、体内の水分が奪われます。
  2. 血液がドロドロに:水分が減ることで血液が濃縮され、粘り気が増してドロドロの状態になります。
  3. 血流がゆっくりに:体温を下げるために血管が広がるため、血流が緩やかになります。

この「ドロドロの血液」が「ゆっくり流れる」ことで、血管の中で血の塊ができやすくなってしまうのです。 高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病がある方や、不整脈を指摘されている方は、もともと血管に負担がかかっているため特に注意が必要です。

危険なタイミングは「寝ている時」と「お風呂」

日常生活の中で、特に脱水が進みやすく注意が必要な2つのタイミングがあります。

1. 就寝中から早朝にかけて 私たちは寝ている間、汗や呼吸からコップ約2杯分(約500ml)もの水分を失っています。睡眠中は水分補給ができないため、明け方は一日の中で最も血液がドロドロになりやすい時間帯です。「朝起きたら手足が動かしにくい」と症状に気づくことが多いのはこのためです。

2. 入浴の前後 夏場もサッパリするためにお風呂に入るかと思いますが、入浴中も想像以上に汗をかきます。熱すぎるお湯や長湯は避け、40〜41℃のぬるめのお湯に10分程度(みぞおち位の半身浴)浸かるのがおすすめです。

「のどが渇く前」の水分補給が鉄則です

のどの渇きを感じた時には、すでに体の中では軽い脱水が始まっています。特にご高齢になると渇きのサインに気づきにくくなるため、「時間を決めてこまめに飲む」ことが大切です。

上手な水分の摂り方

  • 目安量:お食事とは別に、飲み物として1日1.2〜1.5リットルを目安にしましょう。
  • こまめに飲む:一度にたくさん飲んでも吸収しきれません。コップ1杯(150〜200ml)を1日7〜8回に分けて飲むのが理想です。
  • おすすめのタイミング:起床直後、毎食時、外出の前後、入浴の前後、就寝前など。

※「夜中にトイレに行きたくないから」と寝る前の水分を控えるのは、明け方のリスクを高めてしまうので大変危険です。枕元にお水を置いておくのも良いですね。

飲み物の選び方 お水や白湯、ノンカフェインの麦茶などが最適です。 コーヒーや緑茶などカフェインを含むもの、そしてビールなどのお酒は「利尿作用」があり、飲んだ以上の水分が体の外に出てしまうため水分補給にはなりません。また、甘いジュースの飲み過ぎも血糖値を急上昇させるため控えましょう。

(※心不全や腎臓病などで、かかりつけ医から水分制限の指示を受けている方は、ご自身で判断せず必ず主治医にご相談ください)

見逃してはいけない救急サイン「FAST(ファスト)」

万が一、ご家族や周りの方に以下のような症状が「突然」現れたら、迷わずすぐに救急車(119番)を呼んでください。脳卒中は時間との勝負です。

合言葉は「FAST」です。

  • 【F】Face(顔):顔の片側が下がる、うまく笑顔が作れない
  • 【A】Arm(腕):片腕に力が入らない、両腕を前に上げると片方だけ下がってくる
  • 【S】Speech(言葉):ろれつが回らない、言葉が出ない、相手の言うことが理解できない
  • 【T】Time(時間):一つでも症状があれば、気づいた時間をメモしてすぐに119番!

「少し休んだら治った」は危険なサインかも 症状が数分でスッと消えてしまうことがあります。「治ったからよかった」と安心してしまう方が多いのですが、これは脳の血管が詰まりかけた「一過性脳虚血発作」という状態で、数日以内に本格的な脳梗塞を起こす強力な前兆です。症状が消えても放置せず、必ずすぐに医療機関を受診してください。

なお、倒れた方に意識障害や嘔吐がある場合は、仰向けだと窒息の危険があります。救急車が来るまで、体を横向きに寝かせる「回復体位」をとらせてあげてください。

おわりに

夏の脱水は、熱中症だけでなく脳や心臓の血管にも大きなダメージを与えます。 「のどが渇く前のこまめな水分補給」、そして「寝る前と起きた後のコップ1杯のお水」を、今日からご家族皆さまの習慣にしてみませんか?

健康診断で数値の異常を指摘された方や、ご自身の血管のリスクについて不安がある方は、いつでもお気軽に当院へご相談ください。今年の夏も、一緒に元気に健やかに乗り切りましょう!

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