記録的な猛暑となった2025年の夏。この影響により、残念ながら2026年春の花粉シーズンは、多くの地域で厳しいものになると予測されています。
日本気象協会やウェザーニュースが2025年秋に発表した予測（第1報）によると、来春は特に東日本と北日本で警戒が必要です。今回は、最新の飛散予測と、花粉症対策の要となる「初期療法」について解説します。
2026年春の花粉はどうなる？「例年の2倍以上」の地域も
花粉の飛散量は、前年夏の気象条件に大きく影響されます。気温が高く、日照時間が多いほど、スギやヒノキの雄花の生育が促進されるためです。
2025年の夏は全国的に高温・多照となり、雄花の生育に非常に適した条件が揃いました。その結果、2026年春の飛散量は、東海から北海道にかけて例年より多くなる見込みです（例年比1.3～2.5倍）。
特に、東北地方と北海道では、例年の2倍以上という「非常に多い」飛散量が予測されています。これは、2025年春の飛散量が少なかった反動（表年）も加わるためで、東北北部では過去10年で最多レベルの大量飛散となる恐れも指摘されています。（西日本は概ね例年並みの予測です）。
飛散開始は例年通り2月上旬〜中旬と予想されていますが、大量飛散に備えた早めの準備が不可欠です。
ガイドラインも推奨する「初期療法」とは？
花粉症対策として、「鼻アレルギー診療ガイドライン」で推奨されているのが「初期療法」です。
初期療法とは、花粉が本格的に飛散し始める約1〜2週間前、またはごく軽い症状（鼻のムズムズ感など）が出始めた段階で、抗アレルギー薬などの治療を開始する方法です。
「症状がひどくなってから病院に行けばいい」と思われがちですが、それでは対処が遅れてしまいます。
花粉症の症状がピークに達すると、鼻や目の粘膜は強い炎症を起こした状態になります。一度炎症がひどくなると、少しの花粉にも過敏に反応するようになり、薬の効果が得られにくくなってしまうのです。
初期療法によって先手を打つことで、アレルギー反応の悪化を防ぎ、以下のようなメリットが期待できます。
【初期療法のメリット】
- 花粉症の症状が出る時期を遅らせる
- ピーク時の症状（くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ）を軽減する
- シーズン中に必要な薬の量を減らせる可能性がある
いつから始める？1月中の受診が理想的
スギ花粉の飛散開始が2月上旬〜中旬と予測されているため、初期療法を開始するベストなタイミングは「1月中旬から下旬」です。
毎年花粉症に悩まされている方は、年末年始の忙しさが落ち着いたら、早めに内科や耳鼻咽喉科、アレルギー科を受診し、ご自身に合った治療薬（飲み薬、点鼻薬、点眼薬など）を処方してもらいましょう。
2026年春を快適に過ごすために、この冬から万全の準備を始めましょう。
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