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泌尿器疾患

夜中に何度もトイレに起きる「夜間頻尿」|原因と今日からできる工夫

「夜中にトイレで目が覚める」「朝までぐっすり眠れない」。そんなお悩みはありませんか。夜間頻尿はよくある症状ですが、原因によって対策が変わります。この記事では、日本排尿機能学会と日本泌尿器科学会がまとめた『夜間頻尿診療ガイドライン』をもとに、原因と自分でできる工夫を説明します。


夜間頻尿とは

学会では、夜、排尿のために1回以上起きなければならない状態を「夜間頻尿」と定義しています。

  • 年齢とともに増えます。 若い方では1〜3割ですが、高齢の方では4〜8割にみられます。
  • 国内の調査(40歳以上の約4,500人)では、1回以上起きる方が約7割、3回以上起きる方が約1割半いました。困っている排尿の悩みとしても、夜間頻尿が最も多くなっています。

実際に生活に響いてくるのは、1晩に2回以上起きる場合とされています。


主な原因は3つ

1.夜につくられる尿が多い(夜間多尿)

  • 寝る前や夜中の水分・お酒:アルコールには、尿を減らすホルモンの働きを抑える作用があります。
  • 加齢によるホルモンの変化:年齢とともに、夜に尿を減らすホルモンが出にくくなります。
  • 足のむくみ・心臓の病気:昼間に足にたまった水分は、横になると体に戻って尿になります。
  • 高血圧:夜に血圧が下がりにくいと、夜の尿が増えます。
  • お薬:利尿薬を飲む時間や、一部の血圧の薬による足のむくみが関係することがあります。
  • 塩分のとりすぎ:1日9.2g以上の塩分は、夜間頻尿のリスク因子と報告されています。

2.膀胱に尿をためられない

  • 急に我慢できない尿意が起きる「過活動膀胱」
  • 中高年男性に多い「前立腺肥大症」

3.眠りが浅い

睡眠時無呼吸症候群や不眠があると、目が覚めたついでにトイレへ行くことが増えます。睡眠時無呼吸症候群の治療で、夜間頻尿が良くなることもわかっています。


「寒い部屋ほど夜のトイレが増える」という研究も

国内の研究で、寒さとの関係が報告されています。

  • 60歳以上の約1,000人を調べた研究では、日中の室温が低いほど、夜間頻尿が多いという関連がみられました。
  • 暖かい地域では、冬に夜間頻尿が悪化したという調査もあります。
  • 別の研究では、湯たんぽなどで寝床を温めることを含む生活指導によって、夜のトイレの回数が減ったと報告されています。

これから寒くなる季節は、寝室と寝床を冷やさない工夫をしましょう。


今日からできる工夫

ガイドラインが最初に取り組むことを勧めているのは、水分のとり方の見直しです。これは、ガイドラインの中で最も強く勧められている対策です。

  • 夕方以降の水分・お酒・カフェインを控える:コーヒー・紅茶・緑茶・炭酸飲料にもカフェインが含まれます。寝る前3〜4時間は避けましょう。
  • 「寝る前の水で血液サラサラ」は根拠がありません:水の飲みすぎは、夜のトイレを増やす原因になります。1日の水分量は、医師と相談して調整しましょう。心臓や腎臓の病気などで水分量の指示を受けている方は、その指示を優先してください。
  • 減塩:目標は1日6g未満です。
  • 夕方の軽い運動:散歩やスクワットで、足にたまった水分を戻しやすくします。
  • 夕方に足を上げて休む:弾性ストッキングも、有効と報告されています。
  • 寝る1〜2時間前の入浴:40〜41℃のお湯に20分ほどつかるか、足湯をすると眠りやすくなります。
  • 昼間に日光を浴びる:朝は決まった時刻に起きましょう。

放っておかないでほしい理由

夜中にトイレへ向かうときは、暗い中を寝ぼけて歩くことになります。1晩に2回以上起きる方は、転倒や骨折が増えると報告されています。

夜間頻尿の陰に、前立腺肥大症、過活動膀胱、心臓の病気、睡眠時無呼吸症候群、糖尿病などが隠れていることもあります。

次のような方は早めにご相談ください

  • 1晩に2回以上トイレに起きる
  • 尿の勢いが弱い、出にくい
  • 急に我慢できない尿意がある、もれてしまう
  • 尿に血が混じる、排尿時に痛む
  • 足のむくみ、息切れ、いびきや睡眠中の呼吸の停止を指摘されたことがある

当院では泌尿器科と内科の両面から、原因を調べて治療します。受診の前に、2〜3日分の「排尿日誌」をつけていただくと、診断に役立ちます。排尿日誌には、トイレに行った時刻と尿の量、寝た時刻と起きた時刻を書きます。


参考にした公式情報

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