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冬のかゆみ「皮脂欠乏性湿疹」|すねや背中のカサカサ・かゆみの原因と、今日からできる保湿・入浴のコツ(2026年冬)

空気が乾燥する冬は、肌のかゆみに悩む方が増える季節です。

  • すねや背中がカサカサして、白い粉をふいたようになる。
  • 夜、布団に入って温まると、かゆくて眠れない。

こうした症状は、皮膚の脂(皮脂)が減って起こる「皮脂欠乏症」かもしれません。掻きむしるうちに湿疹になったものが「皮脂欠乏性湿疹」です。

この記事では、日本皮膚科学会の『皮脂欠乏症診療の手引き2021』などをもとに、原因と治療、自分でできる対策をまとめました。


今年の冬は暖冬の予報。それでも油断は禁物です

気象庁が10月20日に発表した3か月予報では、関東甲信地方の11月〜1月は次の見込みです。

  • 気温は平年より高い確率が60%
  • 降水量は平年より多い確率が50%
  • 晴れの日は平年より少ない

暖かく、雨や雪もやや多い冬になりそうです。ただし、肌の乾燥は外の天気だけでは決まりません。

学会の手引きでは、冬の乾燥肌の原因として「外気や室内の冷暖房による湿度の低下」を挙げています。暖房を使う室内は湿度が下がるため、手引きは加湿器などによる対策も必要としています。

また、乾燥の原因は天気だけではありません。

  • 年齢による皮膚の働きの低下
  • 熱すぎるお風呂や、ナイロンタオルでのこすり洗い

こうした原因は、暖冬でも変わりません。


なぜ年齢とともに乾燥しやすくなるの?

年齢を重ねると、皮脂を出す腺や汗の働きが落ち、皮膚の表面(角層)が水分を保てなくなります。皮膚のバリア機能が低下すると、わずかな刺激でもかゆみを感じやすくなります。

高齢の方の7割以上に、皮膚の乾燥がみられるという報告もあります。糖尿病や慢性腎不全、抗がん剤の治療なども、皮膚の乾燥の原因になることがあります。


どんな症状? どこにできやすい?

段階 皮膚の様子
はじめ 皮膚の溝に沿って、細かい白い粉(うろこのようなかけら)が出る
進むと かけらが大きくなり、ひび割れができる。軽い痛みが出ることもある
湿疹になると 掻くことを繰り返して赤くなり、ぶつぶつやジュクジュクが出る(皮脂欠乏性湿疹)
  • できやすい場所:両すねの前側が最も多く、背中や腕にもできます。
  • 顔やわきの下など、汗や皮脂の多いところには、あまりできません。
  • かゆみが強いと掻き傷ができ、高齢の方では内出血のあざが出ることもあります。

治療の基本は「保湿」です

  • 乾燥だけの段階:医療用の保湿剤で、皮膚の水分を保ちます。
  • 湿疹になってしまったら:保湿だけでは良くなりにくくなります。炎症を抑えるステロイドの塗り薬を一緒に使います。
  • かゆみが強いとき:かゆみを和らげる抗ヒスタミン薬の飲み薬を使うことがあります。
  • 良くなった後も:保湿を続けることが、再発を防ぐ近道です。

保湿剤の塗り方のコツ(学会の手引きより)

  • 量の目安
    • 塗り薬をチューブから人差し指の先から第一関節まで出した量(約0.5g)が、大人の手のひら2枚分の広さに塗る量です。
    • 片方の脚全体なら、この6回分ほどが目安です。
    • 少しテカテカするくらいが、ちょうどよい量です。
  • 塗るタイミング
    • お風呂の後は、皮膚から水分が逃げやすくなります。忘れずに塗りましょう。
    • 入浴直後でなくても効果は変わらないという報告があるので、ご自分やご家族の都合のよいときで構いません。

今日からできるスキンケアと暮らしの工夫

お風呂

  • かゆくなるほど熱いお湯は避けましょう。
  • ナイロンタオルや硬いタオルは使わないようにしましょう。
  • 石けんはよく泡立て、手のひらで優しく洗います。乾燥が強いところには、石けんの量を少なめにします。
  • 石けんやシャンプーは、残らないようによくすすぎましょう。
  • 入浴後にほてる入浴剤は避けましょう。

お部屋と衣類

  • 暖房を使うときは、加湿器などで湿度を保ちましょう。
  • ウールやごわごわした素材の衣類は、肌に直接触れないようにしましょう。
  • 新しい肌着は、着る前に一度水洗いしましょう。

掻かない工夫

  • 爪を短く切り、なるべく掻かないようにしましょう。

こんなときはご相談ください

  • 保湿をしてもカサカサやかゆみが良くならない
  • 赤くなっている、ぶつぶつやジュクジュクがある(湿疹になっている)
  • かゆくて夜に目が覚める
  • 掻き傷がなかなか治らない

当院の皮膚科で、皮膚の状態に合わせて保湿剤や塗り薬を選びます。

「たかが乾燥」と侮らず、早めにご相談ください。


参考にした公式情報

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