花粉症治療は先手必勝
症状が現れる前に治療を始めることで、鼻粘膜の過敏性が抑えられ、本格的な花粉シーズンを迎えても 、 症状が現れにくくなります。反対にいったん症状が現れてしまうと、鼻粘膜過敏性はすでに進行しているため、治療効果が現れるのに時間がかかります。スギ花粉は、多くの地域では2月の上旬から飛散し始めるので、1月中の受診がおすすめです。
花粉症は、原因となる花粉が鼻に侵入してこなければ症状は起きませんから、治療の第1歩は原因花粉と接触しないことです。そのためには、花粉飛散情報を利用して外出や窓の開閉の工夫をして花粉曝露を避ける、マスクや眼鏡を利用して侵入する花粉の量を減少させる、職場、学校、自宅の中に花粉を持ち込まない、などの対策が重要です。しかし、完全に花粉曝露をシャットアウトするのは困難です。たとえマスクをしても呼吸や会話に伴ってマスクの隅から花粉は侵入してきます。その他、もっとも広く行なわれているのは薬物療法です。いろいろな特徴をもった薬剤がありますので症状に合わせて使うことで高い効果がみられますが、ただあくまで症状を抑えるもので、根本治療にはなりません。現在唯一根本治療の可能性を持つのは特異的免疫治療(減感作療法)と呼ばれるものです。さらに、薬物などの治療に改善がみられない方には手術治療も検討されます。治療に当たっては当然ですが、ご自分の症状や困っていることを正確に伝え的確な治療、アドバイスを受けるためにも医師とのコミュニケーションを十分に取ることが大切です。
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